今回は就職氷河期世代の人生立て直しについて。就職氷河期の頃、特に2000年は大卒の有効求人倍率が0.99という超買い手市場（求人数＜求職者）でした。実は私も丁度この世代で、当時は教員や公務員を志望していました。（民間企業はあまり興味がなかったんです）当時の教員試験や公務員試験の倍率は10倍20倍なんて当たり前で、全く歯が立ちませんでした。
そんな過酷な就職戦線で不本意にも非正規雇用で就業した方も多くいました。その方たちの中には非正規の職を転々とする、いわゆる「非正規ループ」の方もおります。非正規の仕事を転々として、一向にスキルが身に付かないまま年齢を重ねてしまう。いつまでも年収が上がらない、もしくは上がっても微々たる程度。そうして、いつの間にか婚期を逃してしまう・・・。
そんな方たちの中には「独立・起業をして人生一発逆転を・・・」なんて考えている方もいることでしょう。ですが、今一度考えてみてください。ご自身は何の業種で起業をしますか？それに合致した職務経験、資格、技能はお持ちですか？開業資金や運転資金はどうやって捻出しますか？
私が思うに独立・起業は「いばらの道」です。人生一発逆転もできなくはないですが、簡単にはいきません。独立・起業で成功できる人は次に当てはまる人だと思います。
①その業種へのこだわりがある
②その仕事に全てのエネルギーを注げる
③自己管理ができる
④お金の管理に厳しい
①について。ただ漠然と独立を考えている人は成功する可能性は低いです。「起業すれば儲かる」「経営者の肩書を名乗れば尊敬される」と何となく考えていてもうまくは行かないでしょう。「この業種の仕事をしたい」⇒「そのために独立したい」といった熱意は独立するのに必須です。つまり、「独立した⇒目標達成した」ではなく「目標達成する⇒独立した」なんです。独立はあくまで手段で、最終目標ではないと思います。
②ですが、独立して事業主として活動するには、強靭な体力と精神力が必要です。これまでのように月給制ではありません。何時間稼働しても売上がなければ、何もしていないのと同じなんです。独立した最初の頃は事業に全てのエネルギーを注ぎ、それこそ寝る間も惜しんでの活動になります。
③は②に付随したことです。独立後はこれまでのように給与所得ではなく事業所得になります。黙っていてもお金は入ってきません。事業主としての活動計画をきっちりと考えて動かなければなりません。そのためには、自己管理を徹底することが求められます。起床時間からその日の活動内容、就寝時間までの一日の流れを自分で考え、自身をコントロールできなければなりません。
④ですが、事業主は常にお金の流れを把握しておかなければなりません。人を雇えば人件費、店舗や事務所を構えれば家賃・光熱費、接待があれば交際費・・・事業を行うのに毎月どれだけの経費が掛かるか、それを賄い利益を出すにはどれだけの売上が必要かを考え、お金を管理できなければなりません。
氷河期世代が就活した時期は不景気の真っ只中。苦労して何とか就職できても、当時は先輩や上司からしごかれて当たり前の時代。罵声、怒号、時には暴力もあった社会人生活。時が経ち後輩や部下を抱える頃には、ちょっときつく指導すればパワハラで訴えられる時代に。その後輩たちが就活した時期は売手市場で楽々と就職できた。「俺たちの苦労は何だったんだ」と思っている氷河期世代も大勢いることでしょう。
氷河期世代はつらい時期を生き抜いた世代。底力がある世代であると確信しています。私は氷河期世代から多くの実業家が輩出されることを期待しています。
ですが、実業家として成功できるのはごく一握り。安易な独立はお勧めしません。人生一発逆転できるのはよっぽど秀でた人に限られるでしょう。
独立・起業したい方、まずは自分は何ができるか、なぜ起業するのかを自己に問うてみてください。焦ることはありません、スローペースでもいいんです。私自身も氷河期世代経営者の一人としてもっと自己研鑽しよう。
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